ここが違う!アンバーとアンバーグリスの香りの違い

龍涎香
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アンバーとアンバーグリスには、どんな違いがあるのか?
一見して名称だけでは分かりにくい、その違いを今回は探っていきます。

それぞれの香りの特徴や由来を知ることで、アンバーとアンバーグリスを使い分けられる香り上級者になりましょう。

アンバーとアンバーグリスの香りは違う!

アンバーグリスの香りを調香中

香水やフレグランスなど、香りを表現する言葉のひとつに「アンバー」があります。
アンバーの香りは、フレグランス・香水業界では「甘く重厚な香り」とされます。

もとをたどると、アンバーの香りは「アンバーグリス(龍涎香)」の香りを指しました。
アンバーグリスはマッコウクジラの結石が海を漂った後、石のような状態になったものです。つまり、アンバーの香りといえば、アンバーグリスの香りを指します

しかし、アンバーグリスは海岸などで偶然に発見されるもので、数が少なくたいへん貴重なものです。

ですから、現在ではアンバーの香りを作り出すために、アンバーグリスの香りに似せて植物でよく似た香りをとり出す人工的に作るなどの方法でアンバーグリスに近い香りを創り出し、アンバーの香りとするのが一般的です

香水やフレグランスの香りの表現例

フローラル 花を思わせる香り 例:ローズ、ラベンダーなど
ハーバル ハーブのような香り 例:ローズマリー、セージなど
ウッディ 樹木、森林を思わせるの香り 例:ヒノキ、ヒバなど
スパイシー スパイスの刺激的な香り 例:シナモン、クローブなど
アンバー 甘く重厚な香り 例:アンバーグリス(龍涎香)

アンバーとアンバーグリスの名前の由来

アンバーとは

アンバーとは

アンバーとは琥珀(こはく)を意味する英語です。
固まった樹脂が長い年月をかけて化石化したものを琥珀と呼びます。化石化した琥珀は松脂(まつやに)などが宝石のように固くなったもので、由来となる植物は特定できません。

現在では香料として用いられることはありませんが、5000年前のインドではこのアンバーがお香として用いられていたと伝えられています。

琥珀と同様、樹脂を香りの材料として用いるのが没薬(もつやく/ミルラ)や乳香(にゅうこう/フランキンセンス)です。
どちらも樹脂に由来する香りですが、植物が特定され、化石化したものではありません。

アンバーグリスとは

アンバーグリスとは

アンバーグリスは中国では幻の動物「龍」の涎(よだれ)が固まったものと考えられ、龍涎香と名付けられました。

龍涎香はアラビアではお香の材料として用いられ、中国からアラビアを経てヨーロッパに紹介されています。
その過程で、龍涎香は琥珀(アンバー)の仲間だと誤って認識されたという説が伝わっています。

そこで、琥珀と龍涎香を区別するために、龍涎香には「灰色のアンバー」を意味する「アンバーグリス(Ambergris)」という名前が与えられました。

アンバーとアンバーグリスの香りの違い

では、ここからはそれぞれの香りの特徴を知っていきましょう。

アンバーグリス(龍涎香)の香りの特徴

アンバーグリスの香りの特徴

香水のアンバーの香りは、アンバーグリスが原点です。
上品なまろやかさが特徴の甘さのある香りは、中国やアラビアで媚薬として使われてきました

アンバーグリスは動物性なので、ムスクやカストリウムの香りと同じように異性を惹きつける魔力をもつと信じられてきたのです。
アンバーグリスは動物性の香りのなかでもアニマリック(動物性の)な要素が控えめなので、動物性の中では比較的使いやすい香りです。

天然のアンバーグリスはたいへん希少なものなので、現在の香水に使われるアンバーグリスは大部分が人工の香りです。
ですから、ナチュラルなアンバーグリスの香りはとても貴重なものとして、当然高額で取り引きされることになります。

アンバーグリスの香りは、ウッディ(樹木のような)な香りとマリン(海っぽい)系の香りに甘さが加わった官能的と表現されます
天然のアンバーグリスの香りはその官能的な香りに、控えめな動物臭が感じられると考えられます。

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アンバーの香りの特徴

樹脂のアンバーは植物性の香りのため、アンバーグリスのような動物臭はありません

アンバーグリスを基に、さまざまな表現方法によってできるセクシャルな香りがアンバーと呼ばれることがあります。
アンバーは想像上の香りともいえるので、香りを作り出すクリエーターによって異なるということを覚えておいてください。

おすすめアンバーグリスの香り

ホワイト龍涎香

アンバーグリスジャパンの協力会社、バリバリーでは貴重なアンバーグリスの香りを販売しています。

深く甘く香るほんものの龍涎香の香りを楽しんでください。ナチュラルな龍涎香の香りには、人工香料にはない効果が期待できますよ。

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おすすめアンバーグリスの香り①ナチュラルブラウン

アンバーグリスチンクチャーブラウン

アンバーグリスチンクチャー・ナチュラルブラウン 10ml【龍涎香】:10,780円(税込)

貴重な天然香料、アンバーグリス【ナチュラルブラウン】のチンクチャーです。
やさしく深い甘さをもつナチュラルなアンバーグリスの香りが楽しめます。

調香を楽しむ場合には、全体の0.3~10%程度の分量を混ぜください。オリジナルの香りが簡単にできあがります。

調合の際には白く濁ることがありますが、使用に問題はありません。

おすすめアンバーグリスの香り②エンシェントホワイト

アンバーグリスホワイトチンクチャー

アンバーグリスチンクチャー・エンシェントホワイト 10ml【龍涎香】:27,500円(税込)

アンバーグリスチンクチャー 【エンシェントホワイト】は、天然の龍涎香のなかでもとくにグレードの高いホワイトグレードのチンクチャーです。

上品でまろやかな龍涎香の香りが特徴のエンシェントホワイトの香りで、媚薬としての効果を試してみてはいかがですか?

アンバーとアンバーグリスの香りを使い分ける

薬局のイメージ

アンバーとアンバーグリスの香りは似ていますが、その由来は全く別のものでした。
ナチュラルと人工の香りにも注目しながら、香水選びに役立ててください!

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